事例 2
看護介入の結果
妊孕性温存を希望するのか,最終確認時にBさんは,「今は病気の事で頭がいっぱいだし,パートナーとまだ一緒に生活もしていない.これからの生活の中で,この人の子どもが欲しいと後から思うかもしれない.でもその時に体外受精を希望しても遅いので,その時の為に1回だけ採卵しておくのもありだと今は思っています.ホルモン治療が終了して妊娠の許可が出た時に,がんの経過や私の体力,気持ちをふまえて妊娠を希望するのかどうかその時に考えたいです.今,私自身がそう考えて納得しています.1回だけですが,胚の凍結を希望します」と自己決定し表情穏やかに話しました.話の内容から,Bさんが納得した上での治療選択であることを確認したため,診察室にて医師が体外受精のスケジュールを立案しました.スケジュールは順調に進み,採卵後に複数の胚(受精卵)凍結を実施できたと医師が説明しました.その結果を聞き,Bさんとパートナーは泣きながら喜びました.その後二人と面談を行い,妊孕性温存の実施を自己決定できたことを支持しました.また,短期間で決断に至るまでの過程を労い,胚(受精卵)凍結できたことを共感しました.Bさんは「今後はがんの治療を頑張っていきます」と話し,がん治療を開始しました.