top

事例 2

看護介入

◎看護目標
Bさんとパートナーが,がんの診断と妊孕性温存に対する互いの思いを理解し,二人が納得のうえで妊孕性温存について意思決定できる.

まず初めに,何か聞きたいことや相談などあればいつでも対応することが可能であることを伝えました.そして,医学的な情報は再度医師に説明を依頼し,代理懐胎についても,医学的には可能ではあるが日本では認められていないことなどの情報を提供しました.医師からの説明後に必ず看護師が面談を行い、二人の理解度を確認すると同時に,医師の説明内容について,パンフレットや図,データを用いてわかりやすく補足説明し,一緒に情報を整理しました.
看護師を含めた三者面談では,Bさんのパートナーへの気持ち,パートナーのBさんを思う気持ちを互いに表出できるように場を提供しました.また,Bさんとパートナーとの間に妊孕性温存に対する意見のずれがあることにも触れ、限られた時間ではあるが,お互いの気持ちを尊重しながら2人にとっての「夫婦」,「家族」,「子ども」について改めて考えるように勧めました.
パートナーは「もう少しがん治療のほうを先に延ばすことも可能と聞いている」と話している事に対し,Bさんは「がん治療は遅らせたくない」と話していたため、がん患者の妊孕性温存では,がん治療の優先が大原則であることを伝えました.また,妊孕性温存は強制ではないこと,凍結しても胚(受精卵)を移植するしないは自由な選択であることなど,妊孕性温存の選択は自由意思で決められることを伝えました.